物語の中盤、大富豪ルドマンの娘との結婚条件として言い渡されるのが、二つの魔法の指輪を回収する試練だ。灼熱の洞窟で火の指輪を手に入れた主人公は、対となる「水のリング」の情報を追って北の僻地を目指す。その果てに辿り着くのが、鬱蒼とした山々に囲まれた小さな集落である。
ここで主人公を迎えるのは、かつてレヌール城の幽霊退治で背中を預け合ったおてんばな少女、ビアンカの成長した姿だった。病気療養中の父親であるダンカンを支え、村で慎ましく暮らす彼女との再会は、単なる一時的なイベントにとどまらない。『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』において、主人公が誰と共に人生を歩むのかという最大の決断に向けた、極めて重要な心理的助走となっているのだ。