友情結婚を選ぶ人々のバックグラウンドを語るうえで欠かせないのが、他者に性的な惹かれを抱かないアセクシャルや、他者に恋愛感情を抱かないアロマンティックといったセクシャリティの存在だ。これまで彼ら・彼女らは「他者を愛せない異端者」として扱われるか、あるいは自らの感情を押し殺して不要な恋愛を強いられてきた側面がある。
だが、多様な生き方が可視化された今、「愛さなくても共に生きるパートナーを得ていい」という認識が広がった。恋愛感情がないからといって、人間としての温かみや他者への思いやりがないわけではない。アセクシャルやアロマンティックの人々にとって、友情結婚は「本当の自分を偽らずに社会的な安全基地を手に入れる」ためのもっとも誠実な解答なのだ。