巨大物流拠点の舵取りを担う組織構造は、極めてユニークだ。県と市が対等な立場で出資・運営を行う特別地方公共団体という形態を半世紀以上にわたり堅持している。管理者のポストは愛知県知事である大村秀章氏と名古屋市長が任期ごとに交代で務める輪番制が敷かれ、広域行政と都市政策の利害を高度に融合させてきた。
行政組織でありながら、民間ビジネスのスピード感に即応しなければ国際競争に敗れる。この緊張感こそが、名古屋港を国内トップクラスの貨物取扱量を誇るメガポートへと押し上げた原動力だ。官民の思惑が複雑に交錯する港湾空間において、中立かつ強固なリーダーシップを発揮できるガバナンス体制が強みとなっている。