お座敷遊びの真骨頂は、芸舞妓の機転と三味線の調べに合わせ、大人たちが童心に返って興じる伝統ゲームにあります。ルールはどれもシンプルですが、三味線のテンポが上がるにつれて緊張感と笑いが生まれる設計になっています。代表的なお座敷遊びゲーム種類一覧を予習しておきましょう。
1. 金毘羅船々(こんぴらふねふね)
お座敷遊びの代名詞とも言えるリズムゲームです。芸舞妓と客が向かい合って座り、中央に置かれた徳利の袴(はかま)や台座に交互に手を出します。三味線の唄「こんぴらふねふね〜」のリズムに合わせ、台座の上に物があるときは「パー」、物を取ったときは「グー」を出します。テンポが次第に高速化し、手を出すタイミングが遅れたり、形を間違えたりした方が負けとなります。
2. とらとら(虎々)
近松門左衛門の浄瑠璃『国性爺合戦』を題材にした、全身を使ったジェスチャーじゃんけんです。屏風を挟んで立ち、三味線の唄に合わせて身振りを整え、唄の終わりに屏風の両脇から飛び出します。「槍を持った加藤清正(武士)」「杖をついた清正の母(老婆)」「四つん這いになった虎(猛獣)」の3すくみとなっており、武士は虎に勝ち、虎は老婆に勝ち、老婆は武士(親孝行の道理)に勝つというルールです。勝敗の瞬間、部屋全体が歓声に包まれます。
3. お回りさん(おまわりさん)
太鼓や三味線のリズムに合わせて対面でじゃんけんを行い、負けた側はその場でくるりと1回転し、再びじゃんけんを繰り返すゲームです。連続して負けると回転が追いつかなくなり、平衡感覚を失ってお座敷に倒れ込むなど、ユーモラスな盛り上がりを見せます。
負けた側には「罰杯(ばっぱい)」としてお酒が振る舞われるのが慣例ですが、現代の花街ではお酒が飲めない客に無理強いすることはありません。芸舞妓側が巧みにウーロン茶へ差し替えたり、冗談を交えてフォローしてくれるため、無理のない範囲で笑顔で応じるのがスマートです。