国土交通省が発表する公示地価や基準地価において、熊本県内の上昇率はもはや「異次元」の域に達している。特にTSMCの拠点がある菊陽町やその周辺自治体(合志市、大津町)は、商業地・住宅地ともに上昇率ランキングで全国1位や上位を独占。坪単価がかつての数倍に跳ね上がるケースも珍しくない。
「半年前の相場すら通用しない。土地を売りたいという話が出た瞬間に、東京や海外の投資家から買い注文が殺到する」。現地の大手不動産仲介業者はそう語る。工業用地の不足は決定打となっており、地元の既存事業者が工場移転や拡張を断念せざるを得ない副作用も生じている。
住宅市場への波及も深刻だ。新築マンションの価格は福岡市中心部に迫る勢いを見せ、地元出身の若年層がマイホームを手に入れにくくなるという過熱の代償も顕在化している。