邦画の黄金期から斜陽期にかけて、日本映画業界の屋台骨を支えたのは他でもないエロティシズムの美学であった。1970年代から展開された日活ロマンポルノは、10分に一度の濡れ場を条件としつつも、新進気鋭の監督たちに圧倒的な表現の自由を与えた。ここで培われた実験的な映像手法は、後に多くの巨匠を生み出す土壌となった。
また、東映もまた独自のバイオレンスと情愛を融合させた作品群を世に送り出し、日本映画の持つ野性味を証明した。サスペンスと官能が絡み合うエロティック・スリラーのジャンルは、観客の欲望と恐怖を同時に刺激しながら発展。大手スタジオが競い合ったこの時代こそ、日本映画が持つ多様な表現力の礎を築いたと言える。