最新テクノロジーと伝統が融合した超歌舞伎の現場でも、兄弟の存在感は際立っている。CGやボーカロイド、立体音響が飛び交う先鋭的なステージにおいて、デジタルネイティブ世代である彼らは驚くべき柔軟性で適応してみせた。スクリーンの映像と完璧に呼吸を合わせ、ペンライトの光の海を前にしても決して芝居のリズムを崩さない。
一方で、重厚な時代劇の舞台に立てば、空気を一変させる。古風な立ち居振る舞いや、肚(はら)から絞り出すようなセリフ回しを大人顔負けの集中力でこなす。バーチャルな異空間から埃っぽい古典の世界まで、軽やかに行き来するボーダーレスな表現力こそ、彼らが拓く新たな歌舞伎の可能性だ。