どれほど施設内が快適であっても、近隣に住むすべての人々が犬好きとは限らない。むしろ、住宅街に隣接する場所での新設にあたっては、騒音被害を懸念する周辺住民からの反対運動が壁となるケースが後を絶たなかった。
この対立を突破したのが、建築音響工学を応用した二重構造の防音ルーバーだ。犬の甲高い鳴き声の周波数帯(約1kHz〜4kHz)を効率よく吸音する特殊な素材がフェンス内部に組み込まれており、外側に漏れる音量を日常の話し声レベルまで低減させている。
加えて、境界線沿いにはローズマリーやラベンダーなど、犬の無駄吠えを抑える効果があるとされるハーブ類が植栽された。物理的な遮音と心理的な視覚遮蔽を組み合わせることで、地域住民からの苦情は設置前と比較して9割以上減少したという。