日本国内における空手には、幾つかの大きな潮流が存在する。形や組手の美しさとスピードを競う伝統派空手と、直接打撃制を追求する極真会館に代表されるフルコンタクト空手だ。各流派によって、帯の結び目や身なりに対する細かなこだわりと作法には興味深い違いが見られる。
近代空手の祖である船越義珍が本土へ空手を広めて以来、礼節を重んじる精神はすべての流派に受け継がれている。現在、全日本空手道連盟が管轄する競技大会では、結び目が整然としていること、帯の両端の垂れが均等であることが厳格に求められる。一方でフルコンタクト系の道場では、激しい肉体接触に耐えうる実用性と頑丈さがより重視される傾向にある。流派の違いを超えて共通するのは、「帯を正すことは心を正すこと」という武道の根幹を成す思想だ。