埼玉精神神経センター名誉院長であり日本頭痛学会の元理事長を務めた坂井文彦医師は、長年にわたり頭痛治療の最前線で啓発を続けてきた専門家だ。坂井医師は、多くの患者が「痛んだらとりあえず冷やす」という間違った先入観にとらわれている点に警鐘を鳴らしている。
坂井医師によると、セルフケアで重要なのは「痛みの質」を見分ける観察眼だという。階段の昇り降りで響くような拍動性の痛みなら冷却が適するが、頭全体がギューッと締め付けられる鈍痛なら温めるべきである。痛みのメカニズムを理解せずに冷却シートだけに依存し続けると、慢性化や診断の遅れにつながる落とし穴があると指摘する。