実は現在、本来のカタクリの花の根から作られる本片栗粉は市場にほとんど流通していない。日本の食品産業を支えているのは、主に北海道産のジャガイモから抽出されたでんぷんである。
農林水産省も国内農業の持続可能性と食料自給率向上の観点から、馬鈴薯(ジャガイモ)生産のスマート農業化やブランド化を推進中だ。これに応える形で、日清製粉グループなどの大手メーカーは、ボトル容器に入ったダマになりにくい片栗粉や、水溶き不要で直接振りかけられる微粒子加工製品など、革新的なプロダクトを次々と市場に投入している。伝統的な食材でありながら、食品工学の最前線で進化を続けているのだ。