1980年の竣工から半世紀近くが経過しようとしている警視庁本部庁舎において、避けて通れない課題となっているのが設備の老朽化対策と将来的な建て替え計画です。
建設当時は最新鋭だったフロアレイアウトも、高度化するサイバー犯罪対策部隊の拡充や、激甚化するテロ・大規模複合災害に対応するための通信・電力インフラ増強において、物理的な限界を迎えつつあります。これまでにも免震レトロフィットや空調・電気設備の更新工事が断続的に行われてきましたが、組織規模の拡大に伴う執務スペースの狭隘化は慢性的な問題です。
関係機関の議論や報道各社の取材データによると、霞が関地区全体の官庁再編計画や国有財産有効活用の観点から、長期的な建て替え・機能移転構想の検討が水面下で進められています。しかし、首都警察の司令塔としての通信機能を24時間365日停止させることなく、仮庁舎への一時移転や現地建て替えをどのように進めるかという技術的・警備上の難度極めて高く、数千億円規模の予算確保や移転先用地の選定を含め、極めて慎重な議論が続いています。