可憐な花姿に惹かれて「野生の昼顔を庭に移植しよう」と考える園芸初心者が後を絶ちませんが、プロの庭師や農業関係者は声を揃えてこれを制止します。昼顔を庭の土壌に植えてはならない理由は、その恐るべき地下茎の侵略性にあります。
昼顔は種子を作る能力が低く、その代わりに地中に張り巡らせる地下茎(ランナー)によって驚異的なスピードでテリトリーを拡大します。この地下茎には以下のような厄介な特性があります。
第一に、地下茎が地中30cm〜50cm以上の深層にまで達し、縦横無尽にネットワークを構築することです。地上部を鎌で刈り取ったり手で引き抜いたりしても、地中に残された地下茎から何食わぬ顔で無数の新芽を吹き出します。
第二に、「切断による自己増殖力」です。土を耕運機やスコップで耕すと、地下茎が数センチ単位に細かく切断されます。一般的な植物であればダメージとなって枯死しますが、昼顔の場合は切断された破片の一つひとつが独立した個体となり、以前の何倍もの密度で一斉に発芽します。安易な除草作業が、かえって大繁殖のトリガーを引いてしまうのです。
さらに、周囲の草花や低木に巻き付いて光合成を阻害するだけでなく、アブラムシなどの害虫の温床にもなりやすいため、一度庭に定着すると他の大切な植物を全滅に追い込みかねません。