作品の根幹を支えるのは、埼玉県春日部市に暮らす野原一家と、しんのすけを取り巻くカスカベ防衛隊の面々です。彼らの基本プロフィールを整理すると、平成初期のファミリー像をベースにしつつも、極めて現代的な柔軟性を持った人間関係が見えてきます。
野原家の構成は、大黒柱の野原ひろし(35歳・双葉商事営業第2課係長)、専業主婦のみさえ(29歳・旧姓:小山)、長男のしんのすけ(5歳・アクション幼稚園/ふたば幼稚園ひまわり組)、長女のひまわり(0歳)、そして拾われた雑種犬のシロです。さらに、秋田の祖父母(銀の介・つる)と熊本の祖父母(よし治・ひさえ)、みさえの姉・真冴、妹・むさえという個性豊かな親族が物語に絶妙なアクセントを加えています。
一方、しんのすけの幼馴染たちで結成された「カスカベ防衛隊」のメンバー構成は以下の通りです。
- 風間トオル(5歳):私立小学校受験を目指すエリート志向の優等生。マザコン気質と「もえP」好きを隠しているツンデレキャラ。
- 桜田ネネ(5歳):おませで明るい性格だが、思い通りにいかないとウサギのぬいぐるみを殴ってストレス解消するリアルおままごとの支配者。
- 佐藤マサオ(5歳):気弱で泣き虫なカスカベ防衛隊のいじられ役。漫画家志望の一面を持ち、時に感情が暴走する。
- ボーちゃん(5歳):常に鼻水を垂らしている寡黙な天才肌。チームの危機を幾度となく救う知性派であり、石のコレクター。
関係者の回想録や当時の雑誌インタビューによると、初期構想段階におけるしんのすけは、青年誌『漫画アクション』連載の大人向けブラックユーモアの象徴として描かれていました。しかし、アニメ化にあたり「子ども目線から見た大人の理不尽さや本音」を軽やかに暴くトリックスターへと昇華され、それがカスカベ防衛隊という個性的なミラーキャラクターたちとの化学反応によって、唯一無二のアンサンブル劇へと発展していった経緯があります。