日本におけるこの競技の歴史を語る上で、名匠・井村雅代コーチの存在を外すことはできません。1984年ロサンゼルス五輪から長年にわたり日本代表を率い、数々のメダルへと導いた井村氏は、選手一人ひとりの骨格やメンタルを極限まで鍛え上げる指導で「シンクロ界の母」と称されました。その後、中国代表のヘッドコーチとして銀メダルを獲得させるなど、世界の指導理論そのものを底上げした功績は計り知れません。
その系譜を受け継ぎ、日本AS界の絶対的エースとして君臨したのが乾友紀子選手です。2026年・2026年の世界水泳において、ソロ種目(テクニカル・フリー)で日本勢初となる2大会連続2冠(計4個の金メダル)という前人未到の快挙を達成しました。
現役を退いた後の乾友紀子氏の現在は、日本水泳連盟の普及活動や後進の育成指導、さらにはメディア解説者として第一線で活動を続けています。特番インタビューや手記で語られた「新ルール下では、一瞬の気の緩みがベースマークという冷徹な数字になって跳ね返ってくる。だからこそ基礎の美しさを妥協してはいけない」という言葉は、現在の若き日本代表チームのバイブルとして深く刻み込まれています。