彼女のフィルモグラフィーを眺めると、そのバランス感覚の鋭さに驚かされる。莫大な予算が投じられた国際ドラマに出演したかと思えば、気鋭の若手監督が手がける先鋭的な短編やミニシアター系作品にも軽やかに飛び込んでいく。
規模の大小で作品を選ばない。惹かれるのは常に、脚本の強度と、演じる役に「まだ見ぬ人間の業」が描かれているかどうかだという。安易なヒット作の続編や、型にはまったヒロイン役を慎重に避け、常に自らをリスクに晒すような挑戦的な役柄へと手を伸ばす。
この飽くなき渇望こそが、玄理という俳優を凡庸なポジションから遠ざけ、常にエキサイティングな存在たらしめている原動力だ。