「今年の連休は、客足の質が完全に二極化しましたよ」。京都の老舗割烹を営む店主は、淹れたての新茶を前に小さく息をついた。
インバウンド富裕層向けの超高価格帯プランと、国内ファミリー層が選ぶ近場の日帰りツアー。その落差はもはや隠しようもない。かつてのように「誰もが同じように新幹線で遠出する」時代は終わった。宿泊費の高騰を避けた国内客は郊外のキャンプ場や車中泊スポットへと向かい、グランピング施設は連休中から満室が続いた。一方で、新幹線のピーク料金設定や全席指定席化が完全に定着したことで、移動のタイミングを意図的に後ろへずらすスマートな旅行者が目立っている。
数字もそれを裏付ける。主要都市における大型連休後半の消費額は前年比で微減を見せたものの、連休明け直後の週末への消費分散が顕著に現れた。混雑を嫌い、あえて日常の隙間を縫って旅に出る。賢明で、どこかシビアな選択だ。