「早く充電したい」と焦るあまり、ユーザーが無意識に行ってしまう行動の中に、充電速度を著しく鈍化させ、さらに高価なスマートフォンの寿命を著しく削る致命的なNG習慣があります。
筆頭に挙げられるのが、ながら充電NG理由の核心である熱問題です。動画をストリーミング再生したり、3Dグラフィックのゲームをプレイしながら急速充電を行うと、プロセッサ(SoC)の発熱と充電に伴うリチウムイオンバッテリーの発熱が重なり、端末内部温度が45度を超えて急激に上昇します。
現代のスマートフォンには高度なサーマルマネジメント機能が備わっており、本体の危険な加熱を検知すると「熱暴走を防ぐため、充電速度を強制的に数ワットまで落とす(サーマルスロットリング)」というフェイルセーフが作動します。結果として、「急速充電器に繋いでいるのに一向にバッテリーが増えない」という本末転倒の事態を招くのです。さらに、高温下での充放電はバッテリー寿命劣化原因の最大の引き金となり、内部電極の酸化や電解液の熱分解を早め、数ヶ月で最大容量を劣化させてしまいます。
もう一つの危険な誤解が、過熱したスマートフォンの冷却方法です。ネット上で散見される「保冷剤を当てる」「冷蔵庫に入れる」という乱暴なスマホ発熱冷却対策は、絶対に避けなければなりません。急激な外気温の低下により、端末密閉構造の内部で空気中の水分が結露し、マザーボードを水没故障させる事故が後を絶たないためです。熱を持った端末を冷やす正しいアプローチは、「熱伝導率の高いアルミ天板や金属トレイの上に直置きする」「扇風機やサーキュレーターの風を当てる」「放熱を阻害する分厚いスマホケースを外す」という3点に尽きます。