家庭で作るりんごジャムをホテルのコンフィチュールのような滑らかさと食感に格上げするには、いくつかの下ごしらえのノウハウがあります。プロが厨房で実践しているりんごジャムの失敗しないコツを伝授します。
第1の秘訣は「果肉の切り方をブレンドすること」です。全体の半分は3ミリ程度の薄いいちょう切りやすりおろしにし、残りの半分は1センチ角のダイス状にカットします。薄切りやすりおろし部分は早く加熱されてペクチンを排出し、ベースとなる極上のとろみを作り出します。一方、角切り部分は熱を通しても適度な粒感を残し、口に含んだときに果肉が弾けるようなリッチな食感を生み出します。
第2の秘訣は「煮詰める前のマリネ(砂糖漬け)」です。切ったりんごに砂糖とレモン汁をまぶし、調理前に30分から1時間ほど放置します。浸透圧によってりんご内部から透明な果汁がたっぷりと引き出され、砂糖が完全に液体に溶け込みます。この状態で火にかけることで、焦げ付きを完全に防止できるだけでなく、果肉の組織が締まり、透明感のある美しい仕上がりになります。
第3の秘訣は「丁寧な灰汁(アク)取りと鍋の選定」です。りんごを煮始めると、表面に白く細かい泡状の灰汁が浮いてきます。これは果実由来のエグ味成分や不溶性タンパク質ですので、スプーンやお玉でこまめにすくい取ります。これを取り除くことで、雑味のないすっきりとした後味と澄んだ透明感が生まれます。また、煮込む鍋は酸に強いホウロウ鍋や厚手のステンレス鍋が鉄則です。アルミ鍋や鉄鍋を使うと、酸によって金属が溶け出し、ジャムが黒ずむ原因になります。