都内の認可保育園で働く中堅保育士は、RSウイルス流行期における現場の苦悩を次のように証言します。
「朝の受け入れ時、熱は36度8分でも、胸のあたりからゼーゼーと音が聞こえて顔色が優れないお子さんがいます。保護者の方は『熱は下がったので、どうしても外せない会議があり預けます』とおっしゃるのですが、集団生活の中で動き回ると体力を消耗し、お昼寝の時間に咳き込んで嘔吐してしまったり、チアノーゼが出そうになったりして非常に危険です。保育士は医療従事者ではないため、呼吸器の急変には最大限の緊張を強いられます」
一方、育児情報サイトやSNSのコミュニティには、働く保護者たちの切実な悲鳴が溢れています。
「1歳児クラスに入って最初の洗礼がRSウイルスでした。最初の3日間は40度近い高熱、熱が下がった後もひどい喘鳴で夜中に何度も起きる日々。結局、平日の有給休暇を5日間すべて使い果たしました。職場の上司からは『まだ来られないの?』とチャットが入り、精神的に追い詰められて子どもと一緒に泣きました」(30代・IT企業勤務女性の手記より)
現場で浮き彫りになるのは、「子どもの安全を最優先にしたい保育士」と「職場の理解や有給残数に限界を抱える親」の間で生じる深刻な温度差です。解熱したからといって即座に集団生活へ戻すことは、子ども本人への負担だけでなく、園内での再発熱呼び出しという形で結果的に保護者自身の首を絞めることになります。