Q1:大人の発達障害は、病院に通えば薬で完治しますか?
A1:発達障害は生まれつきの脳機能の特性であり、「病気」ではないため完治という概念はありません。ただし、ADHDの不注意や衝動性に対しては中枢神経刺激薬(コンサータ等)や非刺激薬(ストラテラ等)によって脳内の神経伝達物質の働きを補い、症状を大幅に緩和することが可能です。ASDの中核症状に直接効く特効薬はありませんが、不安や不眠、パニックに対する対症療法的な服薬と、環境調整を組み合わせることで社会適応度を格段に上げることができます。
Q2:夫が発達障害(アスペルガー症候群など)だと思われますが、本人が受診を拒否します。どうすればよいですか?
A2:「あなたは発達障害だから病院に行って」と直接迫ると、本人は人格攻撃と受け止め、頑なに受診を拒絶する傾向があります。「あなたが悪いのではなく、お互いの会話がすれ違って家庭が崩壊寸前だから、二人のコミュニケーションの癖を客観的に知るために専門家に相談したい」というアプローチを取るのが有効です。また、夫が拒否し続ける場合は、まずパートナー自身が専門の相談機関や精神科を訪れ、カサンドラ症候群のケアと接し方の助言を受けることが先決です。
Q3:職場に発達障害の診断を公表(オープン就労)すべきでしょうか?
A3:一概にオープンにすることが正解とは言えません。企業の障害者雇用枠や、発達障害への理解が進んだ先進的企業であれば、合理的配慮(テキスト指示の徹底やパーテーションの設置など)を得られるメリットがあります。しかし、理解のない職場では単なる「職務怠慢の言い訳」「能力不足の証明」と受け止められ、人事評価で不当に冷遇されるリスクも残ります。自身の症状の重さ、企業の文化、障害者手帳の取得メリットを総合的に勘案して慎重に判断する必要があります。