リズリサが長年愛された路線を捨ててまで大転換を図った最大の理由は、マーケットの構造的変化とターゲット層の生態系シフトにある。
2010年代半ば、ファストファッションの爆発的普及とナチュラル志向の流行により、109系を中心とするギャル文化そのものが急速に縮小した。かつての主力客だったギャル層は大人になり、シンプルカジュアルや韓国ストリートへと散り散りになっていった。多くの同世代ブランドが売上不振から撤退や休止に追い込まれる中、リズリサも存亡の危機に直面することになる。
そこでブランドが見出した活路が、2010年代後半から急速に拡大した「推し活(アイドルやアニメのライブ参戦服)」や「コンセプトカフェ(コンカフェ)」に通う若い女性たちのファッション需要だった。「周りに埋もれず、推しに一番可愛い姿を見せたい」「世界観を完璧に作り込みたい」という熱狂的なニーズを捉え、従来のガーリーな縫製技術を活かしたデコラティブな量産型・地雷系デザインへ舵を切ったことが、奇跡的なV字回復をもたらした。