先輩魔女のキャラクターを象徴するのが、自身の特技として語った「恋占い」です。
キキに「あなた、何か特技はあるの?」と問いかけ、ほうきで空を飛ぶことしかできないと知ると、先輩魔女は自信満々に「私は占いよ。恋占い。このごろすごく流行ってるの」と微笑みます。このシーンは、本作の根底にある「自分の才能をいかに社会で価値に変えるか」というテーマを端的に示しています。
魔女の力が衰退しつつある近代的な人間社会において、ただ空を飛べるだけでは生活の糧を得ることはできません。先輩魔女は、人間の少女たちが抱える恋愛の悩みに目をつけ、自分の魔法を「占いのビジネス」として適応させることで、街の中に自分の定着場所(市場価値)を作り出しました。
この問いかけを受けたからこそ、キキは後にコリコの街で「空を飛ぶこと」を活かした「お届け屋さん(宅急便)」という独自のサービスを着想することになります。先輩魔女は意図せずして、キキがビジネスモデルを模索するきっかけを与えたメンターとしての役割を果たしていたのです。