結論から明確にしておきましょう。ネット上で取り沙汰されている「医療法人育愛会 札幌東豊病院の閉院」や「分娩休止」といった情報は、客観的根拠を欠いた誤情報です。厚生労働省が管轄する医療機関情報データベース「医療情報ネット」および周産期ポータル「出産なび」の最新登録データを確認しても、札幌東豊病院は札幌市東区北17条東15丁目3番1号の地で、産科・婦人科・不妊症外来・小児科の診療を通常通り継続しています。
同院の最大の強みである「24時間麻酔科医・産科医連携による無痛分娩」も稼働しており、分娩予約の受け入れが停止されたという公式発表は存在しません。地下鉄東豊線「環状通東駅」1番出口から徒歩4分という好立地、充実した専用駐車場を備えた拠点は、現在も日々多くの母子と患者を迎え入れています。
では、なぜ火のないところにこれほど具体的な煙が立ったのでしょうか。背景には、札幌市および北海道全域を覆う深刻な「産科クライシス」があります。近年、札幌市内では総合病院の産科閉鎖や分娩受け入れ停止が相次ぎました。地域の中核病院が産科から撤退するたびに、近隣で分娩を担う個人病院・専門病院に対して「東豊病院も続けられなくなるのではないか」「医師の引き揚げがあるのではないか」といった憶測がSNSや口コミ掲示板で連鎖的に拡散された経緯があります。