ネット上の情報やSNSでは「結婚式ならキラキラしていれば何でも良い」「個性を出すべき」といった極端な意見も見受けられるが、式典の品位を損なう致命的なマナー違反には細心の注意を払わねばならない。知らずに着用して周囲に違和感を与えてしまう代表的な失敗パターンを検証する。
最も重大なNG例は、黒色のネクタイピンを身につけることだ。ブラックオニキスや黒蝶貝、黒のメタルメッキが施されたタイピンは、日本の冠婚葬祭において「弔事(葬儀・告別式)」専用の装具として定着している。黒は喪を連想させる忌み色であり、どれほど高価なブランド品であっても慶事の場での使用は厳禁である。
次に見落とされがちなのが、ネクタイの幅(大剣幅)とピンの長さのアンバランスだ。標準的なネクタイ幅(約8.0〜8.5cm)に対して、ピンの長さは大剣の3/4程度(約5.0〜6.0cm)に収まるものが理想的とされる。ピンがネクタイの端から外側へはみ出してしまう状態は著しく見た目を損ない、不作法とされるため絶対に避けなければならない。
また、過度に派手なカラークリスタルが敷き詰められたものや、キャラクターモチーフ、ブランドロゴが巨大に主張するデザインも場違いとなる。主役はあくまで新郎新婦であり、参列者の装いは「控えめな祝福の光」に留めるのが大人の矜持だ。ネクタイにチェーンが付いた派手なタイチェーンも、夜の正夜会服など特定のドレスコードを除き、一般的な昼間の挙式では避けるのが無難である。