フィガロが長年愛される最大の理由は、その絶妙な「ツンデレ」気質にある。体を洗われるのが大嫌いで、魚のクレオに嫌がらせをしては怒られ、拗ねて部屋の隅に閉じこもる。しかし、大好きな飼い主から優しく撫でられると、途端に喉を鳴らして甘えてしまう。この感情の起伏の豊かさこそが、見る者の胸をキュンとさせるのだ。
手描きアニメーション全盛期の職人たちが、本物の猫のしぐさや耳の動き、ヒゲの揺れまで徹底的に観察して作り上げた映像表現は、今見ても全く色あせない。生意気なのに放っておけない。そんな愛くるしいギャップが、時代や国境を越えて人々の心を掴み続けている。