本州でクマ被害が過去最悪を更新する中、なぜ九州だけ「安全」なのか? 絶滅判定から14年、最新Dna調査が明かす「目撃情報」の真実と生態系の皮肉

本州でクマ被害が過去最悪を更新する中、なぜ九州だけ「安全」なのか? 絶滅判定から14年、最新Dna調査が明かす「目撃情報」の真実と生態系の皮肉

本州でクマ被害が過去最悪を更新する中、なぜ九州だけ「安全」なのか? 絶滅判定から14年、最新Dna調査が明かす「目撃情報」の真実と生態系の皮肉の具体的な内容に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

九州におけるクマの生息史を振り返ると、悲劇的な軌跡が浮かび上がる。明治から昭和初期にかけて、九州の奥山に広がるブナやミズナラの原生林は急速に伐採され、スギやヒノキを中心とする大規模な人工林へと変貌を遂げた。クマの主食となるドングリ類が激減したことで、彼らの生息地は祖母傾山系や阿蘇山周辺などの限られたエリアへと追い詰められていった。

さらに、害獣駆除や毛皮・薬用(熊胆)を目的とした捕獲が追い打ちをかけた。1957年に大分県側で捕獲された個体以降、長らく公式な確認が途絶えていたが、1987年に大分県と宮崎県の県境に位置する祖母山系で1頭の雄のツキノワグマが捕獲・射殺される。これが九州で学術的に確認された最後の個体となった。

その後、日本クマネットワークや環境省による長期にわたる痕跡調査、自動撮影カメラの設置が行われたものの、フンや体毛、爪痕などの生息反応は一切得られなかった。これを受け、2012年の環境省レッドリスト改訂において、九州地域のツキノワグマは正式に「絶滅」と判定されたのである。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。