YOUの知名度をお茶の間レベルで不動のものにしたのが、1991年からレギュラー出演した伝説的お笑い番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』です。当時の民放バラエティにおいて、女性タレントの役割は「賑やかしのアシスタント」か「過度なリアクションを求められる汚れ役」のいずれかに二極化していました。しかしYOUは、そのどちらにも属さない第3のポジションを自力で切り拓きました。
ダウンタウンの松本人志、浜田雅功が繰り出す鋭利なフリに対し、彼女は一切媚びることなく、日常会話の延長のようなローテンションと的確な言葉選びで切り返しました。当時の番組関係者が後に語った回想によると、彼女は台本を過度に読み込むのではなく、「スタジオの空気の揺らぎを察知して間(ま)を埋める天才的な反射神経」を持っていたと評されています。体を張ったコントでも女性らしさを言い訳にせず、かといって自虐に逃げて道化になりすぎることもない彼女の立ち振る舞いは、バラエティ界における女性の役割を根本からアップデートしました。
深夜帯からゴールデンタイムへと移行する過酷な収録スケジュールの中でも、カメラの前に現れる彼女は常にスタイリッシュでした。モード系のセットアップや古着をさらりと着こなし、タバコを吸いながら芸人たちと雑談を交わすその姿は、同年代の女性視聴者にとって「男性社会に迎合しない自由な大人のアイコン」として熱狂的に迎え入れられたのです。