櫻井翔という存在が日本のテレビ界に持ち込んだ革新性は、どれだけ評価しても足りない。嵐という国民的アイドルグループの頂点に立ちながら、月曜日の夜にはスーツを身に纏い、社会問題の現場へ脚を運ぶ。当初は「話題づくり」「客寄せパンダ」と冷ややかに見る向きも一部には存在した。
しかし、彼は自らの取材と弛まぬ準備でその雑音を完膚なきまでに吹き飛ばした。オリンピックの現場取材から震災被災地の声、国政選挙の出口調査まで、彼は常に徹底した下調べを行ってマイクを握った。単なる「コメント要員」に甘んじることなく、自らの視点でニュースを噛み砕くスタイル。それは、後続のタレントキャスターたちにとって高すぎる壁となり、同時に大きな道標となった。