『賭ケグルイ』シリーズを象徴するのが、登場人物たちが極限下で見せる凄まじい表情の崩し、いわゆる「顔芸」の数々です。女優生命を危惧する声すら上がるほどの変顔に対し、浜辺さんは一切の躊躇なく挑みました。
メガホンを取った英勉監督は、現場においてキャスト陣に「もっと感情をむき出しに」「恥じらいを捨ててリミッターを外せ」と絶え間なく要求したと明かされています。当時のオフィシャルインタビューや関連特番において、浜辺さんは「最初はどこまで崩していいのか戸惑いもあったが、現場に入ると監督が率先して変顔を実演してくれるため、羞恥心が吹き飛んだ」と回想しています。さらに「夢子を演じている瞬間は、自分の中から毒が抜けていくような、一種のデトックスに近い爽快感があった」という趣旨の発言も残しており、極限の役作りを楽しんでいた様子がうかがえます。
単なるコミカルな誇張にとどまらず、顔面の筋肉や視線の配り方、わずかな呼吸音に至るまで緻密に計算されていたからこそ、視聴者は「奇怪でありながら美しい」という倒錯的な魅力を享受することができたのです。