「まだ雨も風も強くないのに、なぜ新幹線が止まるのか」——そんな疑問を口にする利用者は少なくない。しかし、新幹線の運休判断は単に目の前の風速や雨量だけで決められているわけではない。
東海道新幹線をはじめとする主要路線では、沿線に設置された各種センサーがリアルタイムでデータを収集している。風速計が一定の数値(強風時の徐行基準や運転見合わせ基準である風速30メートル以上)に達した場合は即座にストップするが、それ以上に警戒されるのが「雨量指数」と「沿線の飛来物リスク」だ。過去の降雨履歴から土砂災害の危険度を算出する累積雨量や、沿線住宅のトタン屋根、建設現場の足場、果ては折れた樹木が架線に引っかかる二次被害のリスクが考慮される。一度架線が切断されれば、復旧までに数十時間を要し、台風が過ぎ去った後も運転が再開できない事態に陥るからだ。