二人の視点の差異を解き明かす鍵は、それぞれのバックボーンにある。田崎史郎氏は時事通信社に入社後、政治部記者として永田町を長年取材し、数々の首相や党幹部との個人的なネットワークを築き上げてきた。時事通信社という大手報道機関で培われた取材力と人間関係は、政権与党のインサイド情報を捉える強力な武器となっている。
一方で、伊藤惇夫氏は政治評論家として独立する以前、国会職員や自民党本部事務局での豊富な勤務経験を持つ。政治の現場を内部から支えていた立場だからこそ、党内動向や選挙戦略、法案成立に向けた水面下の交渉プロセスを客観的な構造として読み解くことができるのだ。大手報道機関の記者出身という田崎氏と、組織内部を知り尽くした伊藤氏という対照的なキャリアが、現在の政治ジャーナリズムにおける存在感の違いに直結している。