「洋服ダンスはパンパンなのに、毎朝出勤前に着る服が決まらない」「セールで買ったはずの服がタグ付きのまま眠っている」。SNSや質問掲示板を調査すると、こうした切実な声が数多く寄せられています。
心理学および行動経済学では、この現象を「選択のパラドックス(選択肢過多の弊害)」と説明します。服の数が多すぎると、脳は比較検討に多大なエネルギーを費やし、最終的に「決断疲れ(Decision Fatigue)」に陥ります。結果として、いつも同じ無難な組み合わせに逃げてしまい、「服はたくさんあるのに着る服がない」という錯覚が生じるのです。
さらに、現場のスタイリストや整理収納アドバイザーのカウンセリング事例からは、以下の3つの根本原因が浮き彫りになっています。
- ライフスタイルと手持ち服のミスマッチ:在宅勤務やオフィスカジュアルが定着したにもかかわらず、過去の通勤服やパーティー用の派手な服が容量を圧迫している。
- 体型や好みの経年変化を無視した保管:「高かったから」「痩せたら着るから」という執着により、今の自分に似合わない服が主役の座を奪っている。
- 軸となるベースアイテムの欠落:単品で見ると可愛いトレンド服ばかりを購入し、それらを繋ぐベーシックなボトムスやインナーが不足している。