「冨岡義勇【外伝】」は、義勇が雪山で竈門炭治郎・禰豆子兄妹と遭遇し、二人を育手である鱗滝左近次のもとへ送った直後の出来事を描いています。北の雪山で巻き起こるマタギ(狩猟民)の集落での鬼被害調査に、義勇が単身で向かうところから物語は幕を開けます。
家族を鬼に惨殺され、自らも鬼となった父親に復讐を誓うマタギの少女・八重。義勇は、過去の炭治郎や自分自身の境遇を彼女に重ね合わせながら、冷徹な剣士としてではなく、不器用ながらも深い情愛を秘めた一人の人間として対峙します。「鬼となってしまえば、どれほど愛した肉親であっても人を喰らう化物に成り下がる」という残酷な現実を突きつけつつ、魂を救済しようとする義勇の姿は、本編の第1話で見せた厳しい言動の裏にある真意を鮮やかに浮き彫りにしました。
また、現地へ増援および補佐として合流する胡蝶しのぶとのコミカルな掛け合いも見逃せません。本編でも話題となった「そんなだからみんなに嫌われるんですよ」という名フレーズを彷彿とさせるやり取りや、義勇の好物である鮭大根を巡るエピソードなど、二人の信頼関係の深さが丁寧に描かれています。