なぜネット社会では、少し共演が減ったり別々のプロジェクトを進めたりするだけで「不仲説」が浮上してしまうのか。ここには「親友なら常にSNSでツーショットを上げ、同じ仕事をするべきだ」という過剰な同一視の心理があります。
特に女子スポーツの世界では、現役時代に「仲良しコンビ」としてメディアに切り取られることが多かった関係ほど、大人になって別々の進路を選択した際にギャップとして捉えられがちです。
しかし、フィギュアスケートのように個人としてのプロ意識が極限まで求められる世界で生きてきた表現者にとって、自分の得意分野で独立した城を築くことは極めて自然なステップです。浅田真央さんが理想とするスケートの総合芸術を突き詰めることと、村上佳菜子さんが持ち前の明るさと親しみやすさでテレビ・タレント界の第一線で活躍することは、互いの価値観を侵食しない健全な棲み分けに他なりません。