城田優の真骨頂は、恵まれた容姿以上にその卓越した歌唱力と舞台演出の才能にあります。
2010年、ミュージカル『エリザベート』において、当時の本場ウィーン版を含む世界最年少(24歳)でトート(死の帝王)役に大抜擢され、第65回文化庁芸術祭演劇部門新人賞を受賞。さらに2015年・2016年の再演でも読売演劇大賞優秀男優賞を受賞するなど、日本のミュージカル史にその名を刻みました。甘さと力強さを兼ね備えた4オクターブ近い音域と、感情をダイレクトに揺さぶる歌唱表現は、演劇評論家からも極めて高く評価されています。
さらに驚くべきは、楽譜が読めない状態から独学でピアノと作曲をマスターしたというエピソードです。頭に浮かんだメロディを感覚的に鍵盤へ落とし込み、自身のオリジナル楽曲の作詞・作曲を手掛けるだけでなく、出演舞台の劇中歌やテーマソングのプロデュースまで行っています。
2019年に上演されたミュージカル『ファントム』では、主演のファントム(エリック)役を演じながら、自ら演出も手掛けるという「主演・演出の二刀流」に挑戦。緻密な心理描写とダイナミックな空間演出が高く評価され、第27回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞しました。演者としての視点と演出家としての俯瞰的な視点を高度に融合させたクリエイティブワークは、日本演劇界において極めて希少な才能です。