2023年6月21日、郡道美玲は所属事務所であるANYCOLOR株式会社を卒業しました。形式上は卒業と銘打たれたものの、実質的なマネジメント解除・専属契約終了と受け止められたこの事態の引き金となったのは、同年3月22日に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝戦におけるSNS投稿でした。
野球のルールをほとんど知らなかった彼女は、日本代表対アメリカ代表の試合中に「これ玉投げて打った人が走るの?」「これ頭に当てたら退場?」など、危険球や死球(デッドボール)を連想させる内容を相次いでポストしました。真剣勝負を繰り広げる選手への敬意を欠いているとして、野球ファンや一般ユーザーから猛烈な抗議が殺到。ANYCOLOR側は翌日2023年3月23日付で活動休止処分を下す事態へと発展しました。
しかし、取材班が当時の文脈を分析すると、この処分は単一のツイートのみによるものではないことが分かります。ANYCOLOR社が公開した公式プレスリリースには、過去における度重なる不適切な言動に対して複数回の厳重注意を行ってきた経緯が明記されていました。当時、同社は東京証券取引所プライム市場への上場を果たした直後であり、ステークホルダーや協賛スポンサーに対するコンプライアンス管理の厳格化が急務となっていました。「破天荒な暴走キャラクター」として許容されてきた活動領域が、エンターテインメント企業のガバナンス基準と決定的に衝突した瞬間でした。