水栓交換を検討する際、最初につまずくポイントが「既存の水栓タイプがどれに該当するか」という規格の判別です。国内のキッチンに導入されている水栓は大きく分けて3つの設置形状が存在し、それぞれ交換難易度や必要な部材が根本から異なります。
第1に、現在の主流である「ワンホールタイプ」です。シンクやカウンターに開けられた直径35mm〜39mmの穴が1つだけの構造を指します。最近の製品は上面施工に対応しており、下からの厄介なナット締め作業が不要なモデルが増加しています。このワンホール水栓交換方法は、後述する特殊な専用工具さえあればDIYとしての成功率は比較的高めです。
第2に、シンクの台座部分に穴が2つ並んでいる「台付ツーホールタイプ」です。穴同士の中心間距離(ピッチ)が203mm規格で統一されている場合が多いものの、固定はシンク下からの挟み込み作業が必須となります。このツーホール台付シングルレバー混合栓を取り替えるには、狭小なキャビネット奥深くへ頭を入れ、仰向けになった姿勢で固着した大型ナットを外さなければならず、体力的・技術的な難易度が一段上がります。
第3に、キッチンの壁面から給水・給湯配管が直接出ている「壁付タイプ(ツーハンドル・シングルレバー)」です。賃貸アパートや築30年以上の戸建てに多く見られます。プロに頼んだ場合の壁付水栓交換費用相場は工賃のみで約12,000円〜18,000円程度と比較的安価ですが、DIYにおける構造的リスクは最も高く警戒を要します。壁内部の給水管がサビで脆くなっている場合、古い水栓をレンチで回した瞬間に壁の中で配管が「ポキリ」と折損し、壁内部で水が噴き出して大規模な内装解体工事へ直結する危険性を孕んでいます。
適合する品番を選ぶ際は、現在設置されている水栓のメーカー(TOTO、LIXIL/INAX、KVK、三栄水栓など)の刻印シールを確認します。たとえばTOTO製品の場合、メーカー公式サイトに設置されている後継品検索ツールを活用することで、古い「TKGG31E」などの型番から現行モデルであるTOTOキッチン蛇口後継品番(TKS05301Jなど)を即座に割り出すことが可能です。品番シールが擦れて読めない場合は、取付穴の直径、給水管のピッチ、シャワー引き出し機能の有無を採寸したうえでメーカー相談窓口へ写真判定を依頼するのが確実です。