ここ数年、日本のSNSを賑わせているのが「#ノープラン旅」や「#即興生活」といったハッシュタグだ。かつては旅行といえば数ヶ月前から宿やルートを綿密に手配するのが当たり前だった。しかし、今の若者たちは違う。金曜日の夜に駅に向かい、その場で空いている新幹線に飛び乗る。行き先はサイコロで決めることもある。こうした極端な行動の背景には、日常生活における過剰な最適化への反発がある。
「毎日がタスクの消化試合のようだった」と語る都内在住のIT企業勤務、佐藤健太さん(26)は、すべてのスケジュール管理アプリを削除した。効率を追い求めるあまり、心がすり減っていくのを感じたからだという。計画を立てないことで得られる解放感は、何物にも代えがたいと彼は微笑む。