浅草の街並みが持つ独特の情緒。その中心で幾多の時代を見守ってきた浅草ロック座は、日本の演芸史・大衆カルチャーを語る上で絶対に外せない聖地である。
戦後復興のエネルギーが渦巻く時代、大衆演劇の新たな波として産声を上げたこの地は、人々の憂さを晴らし、活力を与える娯楽の殿堂だった。やがて昭和レトロ文化の代名詞として定着したものの、時代の波に飲まれることなく、常に表現の限界へ挑戦し続けてきた歴史がある。
古き良き日本の芸能文化を守りながらも、演出手法を時代ごとに刷新してきた柔軟さこそが、今なお若者や外国人観光客の心を捉えて離さない最大の理由と言える。