茶寮宝泉を訪れる来訪者の大半が注文するのが、看板メニューの「わらび餅」です。一般的な量産型のわらび餅には芋やタピオカのデンプンが混合されることが多い中、同店では国産の最高級「本わらび粉」と水、微量の砂糖のみを使用しています。
注文が入ってから銅鍋で一気に火を入れ、職人が渾身の力で練り上げるため、提供された瞬間はほんのりと温かさを残しつつ、透き通った濃い飴色を放っています。時間が経つにつれて本わらび粉特有の分子構造が変化し、弾力と透明感が失われて白濁してしまうため、「本当の美味しさを味わえるのは提供後およそ15分間」と言われる所以です。
きな粉は一切まぶされておらず、最初は何もつけずにそのまま口に運びます。口に含んだ瞬間に広がるのは、大地の滋味を思わせる本わらび粉独特の芳醇な香りと、驚くほど滑らかな舌触り、そして心地よい弾力です。添えられた沖縄県波照間島産の黒糖で作られた自家製黒蜜をひと垂らしすれば、コクのある甘みがわらび餅本来の風味をさらに際立たせます。
わらび餅以外にも、希少価値の高い「丹波白小豆ぜんざい」は、一般的な赤小豆のぜんざいとは一線を画す雑味のない澄んだ甘みと、ふくよかな豆の食感が際立つ名作です。店頭のショーケースから実物を見て選べる季節の上生菓子と香り高い宇治抹茶のセットも、庭園の景色と相まって贅沢な時間を演出してくれます。