かつての日本の医療は、医師の指示に患者が無条件に従う「パターナリズム(父権主義)」が支配的だった。しかし、情報化が進展した現代においては、医師と患者が医学的エビデンスと個人の価値観を共有しながら治療方針を決める「シェアード・ディシジョン・メイキング(協働的意思決定)」へと医療のパラダイムが完全に転換している。
ランキングという安易な他者評価に依存する心理の背景には、「自分で決断して失敗したくない」という責任回避の防衛機制が働く。だが、自分の体を預ける医療において、他人の評価軸を鵜呑みにすることはリスクでしかない。以下の判断基準を参考に、自身の受診行動を客観視してほしい。
有名専門外来や大病院へ行くべき人の条件
- 標準治療を半年以上継続しても症状の改善が見られない難治症例
- 好酸球性副鼻腔炎の疑いがあり、指定難病申請や生物学的製剤(分子標的薬)の導入が必要な人
- 内視鏡下頭蓋底手術など、高度なナビゲーション技術と集中治療設備を要する疾患
- 地域のかかりつけ医から正式な紹介状と画像データの発行を受けている人
ランキング検索に頼るのを慎重にすべき人の条件
- 発症して数日以内の急性の痛み、突発的な難聴や激しいめまいを抱えている人(即座の近隣受診が最優先)
- 通院に片道2時間以上かかり、術後の定期フォローアップを継続できない環境にある人
- 「高名な医師なら話を聞かなくても魔法のように一発で治してくれる」という過剰な他者依存に陥っている人
- まだ一度も地域の耳鼻咽喉科専門医にかかっておらず、初診選定療養費の自己負担を理解していない人