都市伝説の世界では「禁足地に侵入すると発狂する」「行方不明になる」といった怪奇現象が語り継がれてきましたが、法治国家である日本において直面する最大の結末は、きわめて現実的な司直の手による逮捕と刑事罰です。
禁足地の多くは、神社仏閣の所有地(私有地)や自治体が管理する史跡、あるいは国有林に位置しています。柵を乗り越えたり立ち入り禁止の看板を無視して侵入した場合、刑法第130条の「建造物等侵入罪」が成立し、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処される可能性があります。囲繞地(フェンス等で囲まれた敷地)への侵入であれば軽犯罪法第1条第32号違反にも問われ、警察への連行・事情聴取は免れません。
さらに、天然記念物や史跡に指定されているエリアで植物を採取したり土壌を荒らしたりした場合は、文化財保護法違反や自然公園法違反に抵触し、多額の賠償請求や厳罰が下されます。2020年代以降、ネット配信者による不法侵入が社会問題化したことを受け、各地の管理団体や自治体は防犯カメラの増設や警察との連携を大幅に強化しました。「知らなかった」という言い訳は一切通用しません。
昔から伝わる「祟り」の正体とは、共同体の掟を破った者に対する村八分などの社会的制裁や、足場の悪い原生林で遭難したことに対する警告が寓話化したものです。現代においては、それが前科や社会的信用の失墜というリアルな制裁に置き換わっているといえます。