SNSや知恵袋、各種掲示板の相談データを精査すると、10代後半から20代前半の男性による「生え際が後退してきた」「つむじが割れている」という悲痛な声が目立ちます。しかし、その内実を臨床の専門医が検証すると、8割以上が杞憂や一時的なスタイリング要因による誤認であることが分かっています。
代表的な誤認例として挙げられるのがつむじはげの勘違いです。日本人の多くは旋毛(つむじ)が時計回りまたは反時計回りに渦を巻いており、光の当たり方や髪の分け目によって地肌が露出して見えます。特に黒髪と白い頭皮のコントラストが強い若年層ほど「地肌が見える=薄毛」と短絡的に結びつけてしまい、強いストレスを抱え込む傾向が見られます。
また、前髪を長期間にわたり強く結ぶスタイルや、センターパートなどで同じ方向に毎日強いテンションをかけ続けることで発生する牽引性脱毛症の前髪も、AGAと誤認されやすい要因です。これは物理的な牽引によって毛根が一時的に痛んでいる状態であり、髪型を変えて頭皮への負担を軽減すれば自然回復するケースが多いため、男性ホルモン由来のAGAとは根本的に異なります。