インナーイヤー型を検討する際、最大のハードルとなるのが周囲への音漏れです。インナーイヤー型の音漏れの真相を音響工学の観点から分析すると、構造的に背面や側面のスリット(音響ポート)から高音域が外部へ逃げる設計になっていることが分かります。
特にシャカシャカと耳につく3kHz〜8kHzの高音域は指向性が高く、周囲の静けさの中で際立って聴こえます。通勤電車や混雑したバスの車内で、隣の人がインナーイヤー型でJ-POPやロックを大きめの音量で聴いていると、ヴォーカルのサ行やシンバルの音が漏れ伝わり、トラブルの原因になるのは事実です。
大手掲示板やSNSにおけるインナーイヤー型完全ワイヤレスのネットの反応を検証すると、ユーザーのリアルな評価が浮き彫りになります。
「満員電車では音漏れが怖くて音量を上げられない」「騒音の大きい地下鉄だと音楽が電車の音にかき消されて聴こえなくなる」という弱点を指摘する声がある一方、「オフィスやカフェなら適正音量で使えば全く漏れない」「自宅作業では家族の呼びかけやインターホンの音が聞こえるので手放せない」という好意的な評価が圧倒的多数を占めています。つまり、インナーイヤー型は「静かな環境〜適度な雑音環境」において最大の真価を発揮するプロダクトであり、騒音地獄のような場所で爆音再生する用途にはそもそも向いていません。