バージョン4の序盤から物語の暗部で暗躍していた謎の存在「黒衣の剣士」。黒き甲冑に身を包み、大剣を片手に各時代の歴史を改変しようとしていたこの怪人物こそが、エテーネ王国の筆頭錬金術師にして無双の剣腕を誇るパドレその人でした。物語の核心において明かされた真実は、多くのプレイヤーを言葉を失うほどの衝撃に包み込みました。
ドラクエ10におけるパドレと主人公の関係は、まぎれもない「実の親子」です。かつて古エテーネ王国において、パドレは王女マローネと結ばれ、やがて1人の子供を授かりました。この赤子こそが、後にアストルティアを幾度も救うことになる主人公自身です。しかし、王国の支配を目論む邪悪な意思「キュロノス」の奸計によって一家の運命は暗転します。パドレは時見の源の力で記憶と意識を奪われ、呪縛によって操り人形と化してしまったのです。
彼が冷酷な剣士として時空を渡り歩いていた動機は、彼自身の意思ではなく、強大な時渡りの力をキュロノスに悪用されていた結果にほかなりません。かつて我が子を滅びゆく王国の魔の手から逃がすため、未来のアストルティア(エテーネの村)へと時渡りで転送したパドレ。自らの命を削って我が子を守り抜いた父が、数千年の時を超えて敵として我が子の前に立ちはだかる構図は、ドラクエシリーズ屈指の残酷劇として語り継がれています。