放送直後から現在に至るまで、インターネット上では高野邸を取り巻く不穏な噂が後を絶ちません。最も代表的なものが「住み心地が悪すぎてすぐに売却された」「生活環境の過酷さに耐えかねて夫婦が離婚した」「雨漏りや空調不良などの深刻な欠陥トラブルで裁判沙汰になった」という言説です。
取材班が不動産登記情報および関係者への聞き込みをもとにファクトチェックを実施したところ、これらの過激な言説の大半は悪意ある憶測が肥大化した都市伝説であることが判明しました。
まず「即時売却」について、法務局の不動産登記記録を時系列で照合すると、放送後すぐに第三者へ所有権が移転した事実は確認されませんでした。施主名義のまま長年にわたり維持されており、「耐えきれずに数カ月で夜逃げ同然に手放した」というネットの流布情報は事実無根です。
同様に「離婚疑惑」についても、近隣住民の目撃証言や生活実態から見て、放送後も家族としての暮らしが現地で営まれていました。奇抜な住まいがもたらす生活上の不便が夫婦間の議論を生んだ可能性は否定できないものの、「住まいが原因で一家離散した」という劇的なストーリーは、ネット社会が面白半分に消費するために作り上げたフィクションに過ぎません。
一方で、「住環境の厳しさによるトラブル」という指摘に関しては、あながち完全な誤解とも言い切れません。欠陥住宅のような施工不良ではなく、「設計思想が日本の四季と住居プライバシーに真っ向から衝突した」という意味での実質的な居住トラブルは、暮らしの中で如実に顕在化することとなりました。