岐阜県の天気予報を眺めて「同じ県内なのに、なぜこれほど気候が違うのか」と驚いた経験はないでしょうか。答えは独特の地形構造にあります。県北部の飛騨地域は3,000メートル級の乗鞍岳や御嶽山などの御前山系・飛騨山脈に囲まれた典型的な内陸性山岳気候。一方、南部の美濃地域は伊勢湾からの暖湿流を受けやすい太平洋側気候の性質を持っています。
この地形的ギャップが、天候のドラマチックな変化を生み出します。冬、日本海から吹き付ける湿った冷気が山塊にぶつかることで飛騨地方に大雪をもたらす一方、山を越えて吹き下ろす乾いた風(おろし)は美濃平野に冷たく乾燥した晴天を与えます。しかし近年では、この季節風のパターンすら不規則化し、美濃地方での突発的な大雪や飛騨での異常昇温といった従来の見取り図に収まらない事態が常態化しています。