ヘラクレス・オキシデンタリスは、主に南米エクアドル(エスメラルダス州やピチンチャ州など)およびコロンビア西部の標高数百メートルから千数百メートルに及ぶ熱帯雲霧林に生息しています。学名の「occidentalis」がラテン語で「西方の」を意味する通り、アンデス山脈の西側斜面に隔離分布することで独自の進化を遂げた地域亜種です。
外見上の最大の特徴は、頭角と胸角の絶妙なバランスが生み出すシャープな造形美にあります。原名亜種ヘラクレス・ヘラクレスに見られる圧倒的な太さ・重厚感とは異なり、オキシデンタリスは直線的かつ滑らかに前方へと伸びるスマートな角を持ちます。また、上翅の点刻(微小な黒点)が細かく散りばめられ、乾燥時には透明感のある鮮やかなレモンイエローからライムグリーンに発色する個体が多く、標本愛好家からも「最も優美なヘラクレス」として高い評価を得ています。
近年では極太血統の作出ブリードも進んでおり、従来の繊細さに加えて基部の太さと突起の立ち上がりを強調した迫力ある個体が作出され、昆虫ショップやイベントオークションで大きな話題を呼んでいます。