アリが室内に現れる際、必ず「侵入する理由」と「通過してきたルート」が存在します。アリの行動原理は極めてシンプルで、「餌(糖分・タンパク質・油分)」「水分」「安全な営巣環境」のいずれかを探索するスカウトアリ(探索係)が偶然侵入し、好条件を発見したことで仲間を呼び寄せた結果です。
室内で見かける代表的な種としては、体長約2〜3mmのトビイロシワアリやルリアリ、イエヒメアリといった小さい黒いアリが挙げられます。彼らは乾燥や寒暖差から逃れるため、あるいは室内にこぼれた微細なパンくずやお菓子のカス、ペットフードの匂いを察知して集まってきます。
家のアリ侵入経路特定を行う際は、アリの行列の先頭と最後尾をじっくり追跡するのが鉄則です。アリは仲間が残した「道しるべフェロモン」を辿るため、必ず同じラインを往復します。主な侵入口は以下のポイントに集中しています。
- サッシ・窓枠の水抜き穴や隙間:サッシの気密ゴムの劣化部分や下部の水抜き穴(わずか1mm未満)は格好の侵入路です。
- エアコンのドレンホースや配管導入口:外壁から室内へ貫通しているスリーブのパテが経年劣化でひび割れ、隙間が生じているケースです。
- 床下・基礎の通風口と給排水管の立ち上がり:キッチンや洗面所シンク下の配管まわりの隙間から上がってきます。
- 観葉植物の鉢底や植木鉢の土:屋外から室内へ持ち込んだ植物の土中にすでに巣が作られていた事例も多発しています。
さらに深刻なのは、家の中アリ巣の場所特定が必要なパターンです。通常は庭の土中やコンクリートの隙間に巣を作りますが、ルリアリやイエヒメアリなどは壁の内部断熱材、サッシ枠の空洞、果てはWi-Fiルーターやテレビの内部基板といった温かい家電製品の中に営巣することが確認されています。行列が家具の隙間やコンセントプレートの奥へと吸い込まれている場合は、建物内部にセカンドネスト(分巣)が作られている可能性を疑う必要があります。